2024年

49勝91敗3分、最下位。交流戦を前に松井稼頭央監督が休養に入り、渡辺久信GMが監督代行を務めるなど、あまりに無念な結果となった2024シーズン。

2023シーズンに高橋光成、今井達也、平良海馬が二桁勝利、隅田知一郎が9勝をあげ、さらに同秋のドラフト会議では大学ナンバーワン左腕・武内夏暉を獲得し、先発投手陣は充実。加えて甲斐野央、アルバート・アブレイユ、ジェフリー・ヤンが新たに加入し、中継ぎ陣も厚みを増した。「リーグ屈指の投手力」と前評判は非常に高く、野手にも主砲としてメジャー通算114本塁打のヘスス・アギラー、同通算27本塁打のフランチー・コルデロの両スラッガーを獲得したことで、大いに期待されての開幕だった。

しかし、高橋が春季キャンプ中に故障し開幕に間に合わず。4月中旬に復帰するも、不振が続き未勝利でシーズンを終えた。また、平良、甲斐野も故障、長期離脱となったうえ、もっとも痛恨だったのが、打線の核を任せるべく獲得した両助っ人外国人が揃って故障、不振で役割を果たせなかったことだ。そのため、打線が固定できず、シーズン通して安定感を欠いた戦いが続く結果となってしまった。

とはいえ、苦境のなかでも輝くものはたくさんあった。

その筆頭は、ルーキー武内夏暉の大活躍だろう。開幕からローテーションの一角に加わり、規定投球回に到達。5月には4試合先発3勝0敗、防御率0.63という圧倒的な投球内容で月間MVPを受賞した。最終的にも10勝6敗、リーグ2位の防御率2.17と実力を遺憾なく発揮し、一躍エース候補に名乗りをあげた。
また、投手では今井、隅田の存在感が際立っていた。開幕前から「奪三振王を目指す」と掲げていた今井は、見事に有言実行。187奪三振で最多三振奪取投手賞のタイトルを獲得した。投球内容的にも、直球の平均球速も上がり、得意のスライダーと新たに加わったフォークボールを生かしながら打者を圧倒した。日頃の発言にも責任感がにじみ出ており、チームや後輩のために、時には厳しいことも言える頼もしきチームリーダーへと成長を遂げたと言えよう。
隅田の躍動も非常に大きかった。投手陣の中で唯一、シーズン通して一度も登録抹消がなかった。ローテーションの柱としての自覚と責任感も強く、今井と切磋琢磨しながら安定感抜群の投球を披露し続けた。昨年同様9勝に止まったが、数字以上の内容の充実ぶりは誰もが認めるところ。『第3回WBSCプレミア12』の侍ジャパンに選出されたことがその何よりの証明だろう。チームを代表する存在として、今後のさらなる活躍が期待される。加えて、自己最多の105試合に出場して存在感を見せた捕手の古賀悠斗も、同大会の代表に選出された。
中継ぎでは、佐藤隼輔の安定感がチームを支えた。一度、体調不良で12日間のファーム調整期間があったが、それ以外はシーズン通して一軍に帯同。7月5日からシーズン終了まで22試合連続無失点を記録しており、まさに中継ぎエースと呼べるほど頼れる存在だった。

打線は苦戦が続いたが、結果がついてこないなかでもそれぞれが試行錯誤を繰り返し、向上に努めたことは言うまでもない。打順がなかなか定まらなかったが、逆に言えば、だからこそ得られた経験もあったはずだ。
特に4番打者がその代表ではないだろうか。佐藤龍世、山村崇嘉がそれぞれ32試合ずつでもっとも多く、岸潤一郎が18試合、蛭間拓哉が4試合、元山飛優が2試合と、これまでほとんどプロの世界で4番を打ったことのない選手たちが、そのプレッシャーと難しさを身をもって体感できたことは、必ずや今後の野球人生につながるに違いない。
また、西川愛也、長谷川信哉、山村がそれぞれ出場試合数を大きく増やし、経験値を積んだ。チームの大きな課題として数年続いている“外野のレギュラー不在”は解決を迎えることはなかったが、こうした、チャンスを得られた若手選手たちが積んだ経験を着実に実力に変えていくことができれば、レギュラー争いのレベルが数段上がることは間違いないだろう。2024シーズンの苦しみを二度と繰り返さないためにも、一人ひとりのより強い責任感とレベルアップに期待したい。

そして、大きな収穫となったのが、他チームからの移籍加入選手たちの存在ではないだろうか。投手では甲斐野、中村祐太、野手では元山、野村大樹、松原聖弥が今季から新たにライオンズの一員となったが、どの選手もチームへの溶け込みも早く、それぞれが存在感を発揮し、来季以降の大きな戦力になることを証明してくれた。
新戦力という意味では、ルーキーたちも奮闘を見せた。育成登録だった奧村光一が支配下登録を勝ち取り45試合に出場。村田怜音も大けがもあったが、その破壊力ある打撃で大きなインパクトを残した。投手では上田大河、糸川亮太、高卒の杉山遥希が一軍のマウンドに立った。また、3年目の羽田慎之介、菅井信也が一軍デビューを果たし、それぞれプロ初勝利を飾ったこともチームにとって明るい話題となった。
一方で、長年中心戦力としてチームを牽引し、愛され続けてきた増田達至、岡田雅利、金子侑司が2024シーズン限りで現役生活に幕を閉じた。開催された『引退試合』では、三人三様、それぞれのプレースタイルと人柄で大いにスタンドを沸かせ、最後の勇姿を飾った。

2024シーズンの節目の記録としては、金子侑が4月29日の福岡ソフトバンク戦で1000試合出場を達成。中村剛也が5月6日の千葉ロッテ戦で350二塁打を、栗山巧は6月4日の東京ヤクルト戦で400二塁打を達成。外崎修汰は7月10日の北海道日本ハム戦で1000試合出場、9月7日の福岡ソフトバンク戦で100本塁打を達成。源田壮亮が7月14日の楽天戦で1000安打、9月18日のオリックス戦で1000試合出場を達成。高橋は5月24日のオリックス戦で1000投球回を達成。平良が9月10日の北海道日本ハム戦で100ホールドを達成している。

チームの戦績としては辛いシーズンだったが、8月中旬からシーズン終了までの間で、競り負けていた試合を徐々に勝てるようになり、来シーズンの形が見えてきた。

主将を務めた源田は。「『あの年すっごい負けたけど、ファンを辞めなくてよかった』と思ってもらえるような年が来るようにがんばります」と話した。そのためには、シーズン終了後に今井が語った言葉がすべてだろう。「年齢もキャリアも関係ない。この結果を誰ひとり他人事にしてはいけない」。

来季から、西口文也新監督体制となる。「僕はプラス思考なので」と新指揮官。常に顔を上げて前に進む“西口ライオンズ”の船出が今から楽しみだ。

スローガン

やる獅かない

取得タイトル

パ・リーグ新人王

パ・リーグ最多三振奪取投手賞

三井ゴールデン・グラブ賞

遊撃手部門
源田 壮亮

大樹生命月間MVP賞

主力選手成績

投手

選手名 防御率 試合 セーブ ホールド 完投 完封 投球回 失点
隅田知一郎 2.76 26 9 10 0 0 2 1 179.1 56
佐藤隼輔 1.69 45 2 1 0 17 0 0 37.1 8
田村伊知郎 1.82 28 1 0 0 1 0 0 29.2 10
武内夏暉 2.17 21 10 6 0 0 1 1 145.1 39
今井達也 2.34 25 10 8 0 0 2 1 173.1 52
アプレイユ 2.39 52 2 5 28 11 0 0 49 17
平良海馬 1.66 22 3 2 0 9 0 0 48.2 11

打者

選手名 打率 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 盗塁
外崎修汰 0.227 436 41 99 25 1 7 41 11
源田壮亮 0.264 522 41 138 15 7 3 21 12
佐藤龍世 0.244 295 25 72 20 1 7 34 0
西川愛也 0.227 313 30 71 11 2 6 31 8
岸潤一郎 0.216 287 25 62 9 2 6 25 4

順位

順位 チーム
優勝 ソフトバンク 143 91 49 3 .650 -
2位 日本ハム 143 75 60 8 .556 13.5
3位 ロッテ 143 71 66 6 .518 18.5
4位 楽天 143 67 72 4 .482 23.5
5位 オリックス 143 63 77 3 .450 28.0
6位 西武 143 49 91 3 .350 42.0

ユニフォーム

西武ブルーユニフォーム

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球団創立時から脈々と受け継がれてきた伝統と誇りの色である「ライオンズブルー」をコンセプトにした限定ユニフォーム。
胸元のLionsロゴのほか、背番号や背ネーム、キャップからストッキングに至るまで、ライオンズブルーを随所にあしらった。

NEWYORKER TARTAN/UNIFORM

NEWYORKER TARTAN/UNIFORM 見本画像

日本を代表するトラディショナルブランドであり、60年に渡って幅広い年代から支持されている『NEWYORKER』とのコラボレーションが実現。
ライオンズ創設以来初となる「タータン」デザインのユニフォームは、NEWYORKERのアイコニックである「NEWYORKER TARTAN」を前後身頃に配した大胆なデザインに仕上げた。 ユニフォームに袖を通した瞬間、「特別な日がより特別になる」ユニフォームとなっている。

ハントブルーユニフォーム

ハントブルーユニフォーム 見本画像

夏の月夜に敵を狩る勇ましい獅子の雄姿を、ライオンズ選手と照らし合わせた夏の限定ユニフォーム。
このハントブルーユニフォームは、世界で活躍する埼玉県所沢市出身のクリエイティブディレクター相澤陽介氏が監修した。