2018年
40周年シーズンに10年ぶりのリーグ優勝!

球団が埼玉・所沢に本拠地を置き40周年のシーズン。これまで、10年、20年、30年と、10周年の節目ごとに優勝を果たしてきた歴史から、「今回も」と、開幕前から2008年以来のペナント奪還に大きな期待が集まった。 辻発彦監督体制2年目となったチームは、優勝とともに、『最後までお客さんの帰らない野球』を目指し、1試合1試合を全力で戦った。

その中で大きく羽ばたいたのが、5年目の山川穂高だった。年明けから「本塁打王を狙う」と、自ら宣言すると、開幕から打順4番に座り、本塁打を量産。シーズン通して47本塁打を放ち、見事にタイトルを獲得してみせた。『新・ライオンズの主砲』の地位を確立し、パ・リーグMVPにも輝くなど、まさに大飛躍のシーズンとなった。

その山川と最後の最後まで打点王を争い、制したのが浅村栄斗だった。シーズン通してコンスタントに成績を残し、打率.310、自身最多となる175安打、32本塁打、127打点と、優勝に大きく貢献。主将としても“結果”という最高の形でチームをけん引した。

フルイニング出場の秋山翔吾、源田壮亮の1、2番コンビは、今年も絶対に替えの効かない存在だった。秋山は、シーズン最多安打を樹立した2015年以来、2度目の200安打にあと5本と迫る195安打を記録。昨年から2年連続、自身3度目の最多安打のタイトルを手にした。史上初のルーキー年から2年連続で全試合フル出場の快挙を果たした源田は、ゴールデングラブ賞も初受賞。チームでの存在価値は高まるばかりだ。

また、著しい成長を遂げたのが、森友哉と外崎修汰だった。自他共に「強打捕手」としての大成を期待される森は、初めて開幕からシーズン通して捕手に専念。136試合出場、74試合で先発マスクをかぶり、正捕手獲得へ向けて多くの経験を積んだ。昨年から外野手にも挑戦し、内外野をこなす外崎は、今季もユーティリティー性を発揮した。打撃面でも飛躍的に数字を伸ばし、打率.287、130安打、18本塁打、67打点、さらに盗塁数25と、いずれもキャリア最高成績を残した。

投手では、チームで唯一シーズン通してローテーションを守った多和田真三郎が才能を開花させた。自身開幕から6連勝など16勝を挙げ、初の最多勝利投手に輝いた。菊池雄星も、苦しみながらも3年連続2桁勝利を達成。一身に背負ったエースとしての重責をしっかりと果たした。

そして、忘れてはならないのが、栗山巧、中村剛也の熟練者ふたりの活躍だった。特にシーズン終盤で見せた栗山の勝負強さ、中村の圧巻の本塁打量産は、経験浅いヤング・ライオンズをリーグ制覇へと導いた。

昨季2位に終わった悔しさを糧とし、開幕から8連勝と好スタートを切ると、最後まで首位を譲らず10年ぶりの優勝を果たした。特に、辻監督が“獅子おどし”と名付けた12球団一を誇る打線は、シーズン通して相手チームに猛威を振るった。時には8点差のビハインドから逆転勝利を果たすなど、最後の最後まで勝負を諦めないスタイルは、まさに「お客さんを最後まで帰らせない野球」そのものだった。

無念にも、クライマックスシリーズ・ファイナルで2位ソフトバンクに敗れ(2勝4敗)、2年連続で日本シリーズ進出を果たせなかったが、伸びしろ豊かな若獅子たちが台頭し、未来への希望が膨らんだリーグ優勝だった。

個性豊かな選手たちが躍動し、観る者を魅了した2018年ライオンズ。それぞれがさらなる成長を遂げ、来季こそ、必ずや日本一の悲願を達成したい。

(上岡 真里江)

スローガン

「CATCH the FLAG 2018 栄光をつかみ獲れ!」

取得タイトル

最優秀選手賞

最多勝利投手賞

最多打点賞

浅村 栄斗

最多本塁打賞

最多安打者賞

プロ野球最優秀バッテリー賞

スカパー!サヨナラ賞 3・4月度

スカパー!ドラマティック・サヨナラ賞 年間大賞

オールスターゲーム

第1戦 最優秀選手賞

森 友哉

第2戦 最優秀選手賞

源田 壮亮

第2戦 敢闘選手賞

浅村 栄斗

ベストナイン賞

投手部門

菊池 雄星

捕手部門

森 友哉

一塁手部門

山川 穂高

二塁手部門

浅村 栄斗

遊撃手部門

源田 壮亮

外野手部門

秋山 翔吾

ゴールデン・グラブ賞

遊撃手部門

源田 壮亮

外野手部門

秋山 翔吾

日本生命月間MVP賞

3・4月度 投手部門門

多和田 真三郎

3・4月度 野手部門

山川 穂高

8月度 野手部門

中村 剛也

9・10月度 投手部門

多和田 真三郎

9・10月度 野手部門

山川 穂高

ローソンチケット スピードアップ賞

投手部門

多和田 真三郎

主力選手成績

投手

選手名 防御率 試合 セーブ ホールド 完投 完封 投球回 奪三振 失点
菊池 雄星 3.08 23 14 4 0 0 1 0 163 2/3 153 59
多和田 真三郎 3.81 26 16 5 0 0 5 2 172 2/3 102 81
野田 昇吾 3.51 58 1 1 0 19 0 0 41 40 17
平井 克典 3.40 64 3 1 0 21 0 0 53 54 22
榎田 大樹 3.32 23 11 4 0 0 0 0 132 2/3 98 53
マーティン 2.08 22 2 1 12 1 0 0 21 2/3 26 5
小川 龍也 1.59 15 1 0 0 4 0 0 11 1/3 7 3
ヒース 2.50 42 4 1 13 9 0 0 39 2/3 53 11

打者

選手名 打率 試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 盗塁
森 友哉 0.275 136 473 67 130 34 2 16 80 7
浅村 栄斗 0.310 143 565 104 175 27 0 32 127 4
外崎 修汰 0.287 119 453 70 130 24 3 18 67 25
源田 壮亮 0.278 143 594 92 165 27 9 4 57 34
山川 穂高 0.281 143 541 115 152 24 1 47 124 0
中村 剛也 0.265 97 355 53 94 14 1 28 74 1
栗山 巧 0.256 114 305 32 78 18 1 8 52 1
秋山 翔吾 0.323 143 603 107 195 39 8 24 82 15

順位

順位 チーム
優勝 埼玉西武 143 88 53 2 0.624 -
2位 福岡ソフトバンク 143 82 60 1 0.577 6.5
3位 北海道日本ハム 143 74 66 3 0.529 13.5
4位 オリックス 143 65 73 5 0.471 21.5
5位 千葉ロッテ 143 59 81 3 0.421 28.5
6位 楽天 143 58 82 3 0.414 29.5