1958年
伝説の日本シリーズを制し、V3達成
西鉄は後世に語り継がれるパ・リーグでの大逆転優勝と巨人との伝説の日本シリーズを制し、3年連続日本一を達成、記憶に残る一年となった。 最強軍団として確固たる地位を確立した西鉄のV3は揺るがないと予想されたが、雪辱に燃える南海ホークスに一時10.5ゲームの大差をつけられる。しかし、8月以降、西鉄は36勝10敗2分という驚異的な勝率で南海を追い抜き、3連覇を達成する。 巨人との日本シリーズは、さらに伝説を生んだ。
2年連続して三原監督率いる西鉄に敗れていた水原監督率いる巨人が闘志むき出しで対峙し、巨人の3勝0敗と一方的な展開となる。しかし、ここから西鉄の反撃が始まる。 雨で流れて順延になった第4戦、序盤に巨人に先制されるも、豊田泰光を中心とした打線の奮起、稲尾和久の力投により、ようやく“1勝”を手にする。この勝利の背景には逸話がある。雨で順延になった試合、午前8時半には試合の中止が決定した。実は、午前10時には雨があがっていたという。水原監督が「稲尾を休ませるために故意に雨天順延とした」と訴えたが中止は覆らず、翌日の西鉄の1勝へと繋がった。稲尾和久は第1、3戦と先発しており、順延がなければ第4戦で快投することができなかったかもしれない。稲尾和久はこのシリーズで6試合に登板し(うち5試合は先発)4勝すべてを挙げている。
第5戦、この試合がこのシリーズさらには“史上最強”の歴史のなかでのハイライトであろう。初回3点を先制された西鉄は、7回裏中西太が2点本塁打を放ち、9回裏2死3塁で関口清治が起死回生の同点打放つ。その壮絶な試合の締めくくりは、打者・稲尾和久である。10回裏、稲尾和久の放った打球はレフトスタンドに突き刺さり、サヨナラ本塁打となった。 第6戦、西鉄の先発はまたしても稲尾和久であった。連投で疲れが出てもおかしくない状況で、このシリーズ最高の投球で、見事に完封勝利をおさめる。
そして迎えた第7戦、西鉄の勢いは止まらず巨人を圧倒し、見事に3連敗のあとの4連勝を達成した。 西鉄を語る上で真っ先に取り上げられる試合であり、日本シリーズであり、シーズンであった。劣勢をまるで感じさせず、巨人を相手に荒々しく立ち向かう選手たちはまさしく“野武士”に見え、その豪放、豪快な姿は西鉄ファンのみならず、プロ野球ファン、スポーツファンの目に焼き付いて離れない強烈なものとなった。
取得タイトル
主力選手成績
打者
選手名 | 打率 | 試合 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中西 太 | 0.314 | 126 | 404 | 61 | 127 | 19 | 1 | 23 | 84 | 8 |
関口 清治 | 0.276 | 125 | 439 | 54 | 121 | 23 | 1 | 16 | 77 | 8 |
投手
選手名 | 防御率 | 試合 | 勝 | 敗 | 完投 | 完封 | 投球回 | 奪三振 | 失点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
稲尾 和久 | 1.42 | 72 | 33 | 10 | 19 | 6 | 373 | 334 | 74 |
河村 英文 | 2.58 | 52 | 14 | 11 | 6 | 2 | 220 | 122 | 74 |
順位

順位 | チーム | 試 | 勝 | 敗 | 分 | 率 | 差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
優勝 | 西鉄 | 130 | 78 | 47 | 5 | 0.619 | - |
2 | 南海 | 130 | 77 | 48 | 5 | 0.612 | 1.0 |
3 | 阪急 | 130 | 73 | 51 | 6 | 0.585 | 4.5 |
4 | 大毎 | 130 | 62 | 63 | 5 | 0.496 | 16.0 |
5 | 東映 | 130 | 57 | 70 | 3 | 0.450 | 22.0 |
6 | 近鉄 | 130 | 29 | 97 | 4 | 0.238 | 49.5 |