1986年
清原入団!森監督就任

西武第2次黄金時代の幕開けである。

近鉄とのデッドヒートを制し、リーグ2連覇を達成。
日本シリーズも制した。

前年シーズン終了後、健康上の理由で勇退した広岡監督に代わり、森祇晶監督が采配をふるった。森西武の初年度は、ベテランと若手の競争が目まぐるしかった。

最も印象深いのが、超大物ルーキー清原和博の入団である。紆余曲折あり入団した清原であったが、一塁には前年3割の成績を残した片平晋作がいた。
シーズン当初、森監督は相手投手により起用法を変えたが、5月以降は清原が一塁手、片平が指名打者として定着した。

打撃陣はMVPを獲得したリードオフマン石毛宏典が好成績を残し、秋山幸二は41本塁打、115打点と完璧なるスラッガーに成長した。注目の清原は打率304、本塁打31本と活躍し、大先輩・豊田泰光の持つ高卒新人最多本塁打記録を塗り替え、見事に新人王を獲得した。

投手陣では、東尾修、渡辺久信、工藤公康が先発3本柱として支え、郭泰源がストッパーにまわり、安定した成績を残した。

なかでも特に活躍したのが、渡辺である。渡辺は先発中心ではあったが、ロングリリーフからストッパーまでこなす大車輪の活躍を見せ、最多勝利、最多奪三振、最高勝率の3冠を獲得した。

広島との日本シリーズはまさに死闘であった。史上初、8戦目での決着となった。4戦目まで1分3敗と後がなくなった西武は第5戦、投手工藤のサヨナラ安打の勝利から反撃を始めた。

3勝3敗1分で迎えた第8戦、同点2点本塁打を放った秋山がホームベースを前に「バック宙」のパフォーマンスで沸かせ、日本中の野球ファンの脳裏に残るシーンとなった。

この逆境からの立ち直りで成し遂げた3度目の日本一は、28年前の西鉄ライオンズを彷彿とさせるものであった。

監修:杉山茂(スポーツプロデューサー)

スローガン

「飛躍」

取得タイトル

最優秀選手
石毛 宏典
最優秀新人
清原 和博
最高勝率
渡辺 久信
最優秀防御率
渡辺 久信
最多奪三振
渡辺 久信

主力選手成績

打者

選手名 打率 試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 盗塁
石毛 宏典 0.329 129 514 91 169 23 0 27 89 19
清原 和博 0.304 126 404 66 123 18 1 31 78 6
辻 発彦 0.296 130 425 65 126 19 5 7 57 35
秋山 幸二 0.268 130 492 88 132 19 3 41 115 21

投手

選手名 防御率 試合 セーブ 完投 完封 投球回 奪三振 失点
渡辺 久信 2.87 39 16 6 1 13 1 219 178 79
工藤 公康 3.22 22 11 5 0 10 2 145 138 53
東尾 修 4.22 31 12 11 2 8 0 168 52 85

順位

順位 チーム
優勝 西武 130 68 49 13 0.581 -
2 近鉄 130 66 52 12 0.559 2.5
3 阪急 130 63 57 10 0.525 6.5
4 ロッテ 130 57 64 9 0.471 13.0
5 日本ハム 130 57 65 8 0.467 13.5
6 南海 130 49 73 8 0.402 21.5