1958年
日本シリーズ

1958年 ライオンズ(4勝) - ジャイアンツ(3勝)

ライオンズ表彰選手

MVP

稲尾 和久

首位打者賞

豊田 泰光

最優秀投手賞

稲尾 和久

優秀選手賞

中西 太

不調の稲尾が踏ん張れず・・・初戦を落とす。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
  ライオンズ 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2
  ジャイアンツ 1 0 1 1 0 0 6 0 X 9

1958年10月11日 第1戦(後楽園球場)

投手

【西】●稲尾-島原-河村-若生-畑
【巨】藤田-○大友

本塁打

【西】豊田1号ソロ
【巨】広岡1号ソロ、長嶋1号2ラン

3年連続のライオンズ対ジャイアンツの日本シリーズの初戦。ライオンズ・稲尾、ジャイアンツ藤田の両エースによる先発で開幕。

日本シリーズ開幕前に発熱した稲尾の体調は万全ではなく投球は精彩を欠いた。序盤から徐々に加点され、1-3で迎えた7回、ジャイアンツ長嶋の2ランホームランを含む怒涛の集中打で一挙6点を奪われ大勢が決した。

稲尾の不調が響き、初戦を落とした。

初回に島原が乱調。ダメージが残る2連敗。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
  ライオンズ 0 0 1 0 0 0 0 2 0 3
  ジャイアンツ 7 0 0 0 0 0 0 0 X 7

1958年10月12日 第2戦(後楽園球場)

投手

【西】●島原-畑-西村-河村
【巨】○堀内

本塁打

【西】豊田2号2ラン

第2戦。ライオンズは初回から圧倒される。

先発の島原は1つのアウトもとることができず、3人の走者を残した状況でノックアウト。代わった畑もジャイアンツの勢いを止めることはできず、計7点を奪われ、初回で勝負を決められた。

打撃陣では豊田が2試合連続ホームランなどでチームの全打点を叩き出す活躍を見せたが、ジャイアンツの堀内に11三振を奪われる完敗。

稲尾力投も勝ちにはつながらず。まさかの3連敗。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
  ジャイアンツ 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
  ライオンズ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

1958年10月14日 第3戦(平和台球場)

投手

【巨】○藤田
【西】●稲尾

第3戦。第1戦と同じく稲尾、藤田の両エースによる先発。両チームのあげた得点は「1点」のみ。両投手の快投で非常に引き締まった試合となった。

3回、ジャイアンツ広岡のスリーベースで先制された。結果的に、この虎の子の「1点」を藤田に守り切られ、4安打完封負けを喫した。稲尾は4回以後わずか1安打に抑える快投を見せたが、苦しむチームを勝ちに導くことはできなかった。まさかの3連敗で日本一に王手をかけられた。

エース稲尾を立てての敗戦のダメージは甚大であった。

崖っぷちからの1勝!稲尾の粘投でつかみ取る。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
  ジャイアンツ 2 1 0 0 0 0 1 0 0 4
  ライオンズ 0 3 0 0 1 1 1 0 X 6

1958年10月16日 第4戦(平和台球場)

投手

【巨】大友-●藤田-義原
【西】○稲尾

本塁打

【巨】広岡2号ソロ
【西】豊田3号ソロ・4号ソロ

第4戦。波乱含みで始まった。当初10月15日に行われる予定だった第4戦は前日からの降雨のため、午前8時に中止が決定した。このライオンズサイドの試合中止決定に対して、ジャイアンツの水原監督は激怒した。しかし、決定は覆らず1日順延して行われたため、異様な雰囲気でのプレーボールとなった。

ライオンズは稲尾が連続先発、対するジャイアンツは大友が先発。序盤、稲尾はリズムに乗れず3点を失うも打撃陣が踏ん張り、同点で中盤戦にもつれ込む。5回、豊田がソロホームランを放ち、勝ち越した。続く6回には関口の犠飛で2点差。7回、広岡のソロホームランで再び1点差に詰め寄られたが、その裏豊田の2打席連続のホームランでふたたび突き放す。

稲尾は序盤から調子が上がらず4失点するも踏ん張って完投。波乱含みではあったがライオンズがようやく1勝をあげた。

激闘制す!稲尾のサヨナラ弾で2連勝!

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R
  ジャイアンツ 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3
  ライオンズ 0 0 0 0 0 0 2 0 1 1X 4

1958年10月17日 第5戦(平和台球場)

投手

【巨】堀内-藤田-●大友
【西】西村-島原-○稲尾

本塁打

【巨】与那嶺1号3ラン
【西】中西1号2ラン、稲尾1号ソロ

後世に語り継がれる第5戦。ライオンズ西村、ジャイアンツ堀内の両先発でプレーボール。初回、ジャイアンツの与那嶺に3ランを打たれ3点を奪われた。西村は1つのアウトも取れずにノックアウト。一方の堀内は快投を続け6回まで得点できず。

ライオンズ打撃陣が堀内をとらえたのは7回。四球の豊田を置き、中西が2ランを放ち1点差に追い上げた。1点差で迎えた9回、1死三塁のチャンスとなったが、期待の中西は三塁ゴロに倒れてしまう。

続くは同シリーズ大不振の関口。関口が放った打球は執念が乗り移ったかのようにセンター前に飛び、土壇場で同点に追いついた。勢いは完全にライオンズ。

10回、投手である稲尾がシリーズ史上初のサヨナラ弾でライオンズが激戦を制した。

投打がかみ合い3連勝で逆王手!

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
  ライオンズ 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2
  ジャイアンツ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

1958年10月20日 第6戦(後楽園球場)

投手

【西】○稲尾
【巨】●藤田

本塁打

【西】中西2号2ラン

第6戦。ライオンズのスターティングメンバーの変更などでジャイアンツの水原監督が猛抗議を行い、その影響で40分遅れてのプレーボール。同抗議でリズムを崩したのか、ジャイアンツの先発・藤田が初回から波に乗れず。中西の2ランで早々と先制点を奪った。ライオンズの先発稲尾は調子を取り戻し、ジャイアンツ打線を圧倒した。

稲尾の会心の完封勝利でライオンズは対戦成績を3勝3敗の五分まで戻した。

伝説。3連敗のあとの4連勝でV3達成

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
  ライオンズ 3 0 0 2 0 0 0 1 0 6
  ジャイアンツ 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

1958年10月21日 第7戦(後楽園球場)

投手

【西】○稲尾
【巨】●堀内

本塁打

【西】中西3号3ラン
【巨】長嶋2号ソロ

最終戦。勢いは3連勝中のライオンズにあった。

初回、中西が3試合連続ホームランを放ち、3点を先取。さらに5回には豊田、中西の連続タイムリーで中押し。8回には稲尾の犠飛で追加点。投げては連投の稲尾が8回まで無失点の好投。最終回、長嶋にランニングホームランで1点を返されるも、ジャイアンツの反撃もここまで。

ライオンズがジャイアンツを相手に日本シリーズ史上に残る奇跡の逆転優勝で3年連続日本一を達成した。