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2023/12/23 (土)
チーム

【新入団選手スカウトに聞いた!】“1日でも早く、母への恩返しをしたい” だからこそ、高卒でプロの道へ進むことを決めた。不退転の覚悟を燃やすルーキーは、実力主義の世界で這いあがっていく。

11月26日に会見を終えた新入団選手たち。来季からライオンズの一員になる彼らのことをファンの皆さまにより知っていただくために、今年も昨年に引き続き担当スカウトインタビューを実施!
第9弾は川下投手!担当である水澤スカウトに、直接お話をお伺いしました!

(編集協力:週刊ベースボール)

結果を残すまでは浮つかない──。“プロの世界で成功する” という強い意志と、どこまでも伸びる成長曲線は、大きな可能性を感じさせる。

川下投手画像

身長186センチの長身左腕が投げ込む角度のついた直球は、最速142キロの球速表示以上の体感速度を感じる。三振奪取能力の高い函館大有斗高の川下将勲投手を、プロの複数球団が熱心に視察していた。伸びしろ十分であることは誰もが認めるところで、大化けする可能性を秘めている。水澤英樹スカウトは「上背があるのですが、腕が遅れて出てくるので直球が打者の手元で伸びてくる。150キロ以上の直球を投げても痛打を浴びる投手がいますし、スピードガンの表示がすべてではありません。川下投手は自分の強みを知っていて、球速より球の質にこだわっている。体格に恵まれた投手が近年増えていますが、上背があって柔らかさも兼ね備えたサウスポーはなかなかいない。将来が楽しみです」と期待を込める。

高校入学当時の体重は55キロ。食事の量と質にこだわり、筋力トレーニングを導入したことで17キロ増の72キロに。120キロ台だった球速は20キロ以上はね上がった。水澤スカウトはその成長曲線を見てきた。「2年夏の登板で初めて見ましたが、大きい体を操れていることが印象的でした。バランスが良く、また見たいと感じさせる投手でしたね。体が成長過程ですし、コンディションも一定ではない。好不調の波は当然ありますが、支配下で指名された高卒の投手たちと遜色ない実力を持っている。結果が出ていないときも、可能性をすごく秘めている投手だなという印象は変わらなかったですね」。

2年秋から主力投手となり登板を重ね、北海道屈指の好投手として評価を高めたが、3年夏は南北海道大会ベスト8と甲子園には届かなかった。大学進学か、プロ志望届を出すか――。川下投手は女手一つで育ててくれた母・美智子さんに1日でも早く恩返ししたい気持ちが強かった。片口伸之監督と面談を重ねていたが、高卒でNPBを目指す気持ちはブレなかった。

「大学に進学したら4年後に上位指名だった可能性があった中で、育成指名を覚悟の上でNPBの世界に挑戦することを決断した。川下投手には覚悟の強さを感じます。実際に接してみると、口数が多いわけではないですが、『プロの世界で絶対に成功したい』という思いが伝わってくる。年頃の高校生は遊びに行きたい気持ちがあると思いますが、『自分はそういう立場ではない』という空気を漂わせている。ここからはい上がろうと。プロで成功するために必要なメンタルです。受け答えもハキハキしていますし、浮ついていない。野球に取り組む姿勢に甘さがないので安心しました」。

支配下で入団した3位の杉山遙希投手、4位の成田晴風投手は高卒の同学年。「杉山投手や成田投手に負けたくない気持ちは絶対にあると思う。互いに切磋琢磨しながら先発ローテーションに入ってくれたら理想ですね」と水澤スカウトは未来予想図を描く。支配下と育成入団。置かれた立場は違うが、プロに入ったら指名順位は関係ない。実力主義の世界だ。ライオンズの育成出身では、水上由伸投手が昨年35ホールドポイントをマークし、最優秀中継ぎ賞投手と新人王のタイトルを獲得。今季も高卒3年目の豆田泰志投手が7月21日に支配下昇格すると、リリーバーで一軍に定着して16試合登板で6ホールド1セーブ、防御率0.59の好成績を残した。一軍の舞台に駆け上がりブレークした先輩たちの姿は、川下投手の道標になるだろう。

「入団してここからがスタートです。絶対にプロの世界で成功するという今の気持ちを忘れないでほしい。食事とトレーニングで体に厚みが増せば、球速は150キロ近く出るでしょうし、球質を生かしてもっと打ちづらい直球になる。まずは支配下に上がること。このチャンスをつかむのが大事ですが、焦らずにコツコツ目の前の課題をクリアしてほしい」。

北海道を出てプロの世界で初めての寮生活。横顔にはあどけなさが残るが、目力は鋭い。一軍で活躍するサクセスストーリーを叶え、唯一無二の左腕を目指す。

水澤スカウトから川下投手へ

「大化けした姿が既存の選手でイメージできないくらい、スケールの大きさを感じさせます。オンリーワンの投手になってほしいです」

川下投手 選手名鑑 その他のインタビューはこちら!

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