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2023/12/18 (月)
チーム

【新入団選手スカウトに聞いた!】名門大学から独立リーグへ“覚悟”の挑戦。文武両道の一言では到底語りつくせない背中に、鈴木スカウトが感じたものとは?

11月26日に会見を終えた新入団選手たち。来季からライオンズの一員になる彼らのことをファンの皆さまにより知っていただくために、今年も昨年に引き続き担当スカウトインタビューを実施!
第4回は宮澤投手!担当である鈴木スカウトに、直接お話をお伺いしました!

(編集協力:週刊ベースボール)

どんなことがあっても諦めない“ガッツ”が、プロの世界への道だった。

宮澤投手画像

「文武両道」の肩書が話題になった選手は過去にいたが、宮澤投手はその枠に収まらない魅力がある。進学校の長野高から1年浪人して難関の北海道大に進学。3年秋に札幌学生野球連盟2部で4勝をマークし、MVP、最優秀投手賞に輝いた。一般企業の内定を勝ち取ったが、野球で頂点を目指す夢をあきらめきれなかった。1年留年して現役学生として独立リーグの舞台へ。四国アイランドリーグplus・徳島に入団し、最速155キロの直球とフォークで評価を高めた。鈴木敬洋スカウトは、「あそこまで落ちるフォークを投げる投手はなかなかいません。他球団も狙っていたと聞いていたので獲得できてよかったです」と安堵の表情を浮かべる。

潜在能力は底知れない。鈴木スカウトが初めて見たのは、徳島の公式戦で登板した今年7月だった。「直球が力強く、フォークはストライクを取る軌道と落差の大きい軌道の2種類を投げ分ける。ハマったときの投球はすぐにでもプロの一軍で通用するレベルです。楽しみな投手が出てきたなと感じました」。常時150キロ前後の直球と落差の大きいフォークで三振奪取率が高い。能力は申し分ないが、徳島でプレーした今季の成績を見ると、12試合登板で3勝2敗3ホールド、防御率5.12。決して良い数字とは言えない。「彼の最大の課題は再現性だと思います。良いときの投球をいかに持続できるか。10月に坊っちゃんスタジアムで愛媛と対戦したチャンピオンシップで投げたときも状態が良くありませんでした。このときは12球団が視察に訪れていましたが、我々の評価は変わりませんでした。大学のときはカーブを投げていて、フォークはそんなに投げていないと聞いています。まだまだ成長途中で、球の精度をいかに高められるかがポイントですね」と語る。

好不調の波が激しい課題は克服しなければいけないが、西武入団後に完成度を高めることで大化けする可能性を秘めている。端正な顔立ちで秀才。だが、その印象は投球を見ることでガラッと変わる。「ガッツマンですよ。マウンドに立つと気が強い。ピンチやギアを上げるときに、球場に響き渡る声を出して投げますから。『ライオンズに入団してもその気持ちを大事にしなさい』と本人にも伝えています。技術だけでなく、なにがなんでも抑えてやろうという気持ちは大事ですから。あと、頭が良いけど人間らしい一面もある。そのギャップもいいですよね(笑)。素直で聞く耳を持っているし、しっかり人を見て話します。会ったときにあらためて感じたのですが、体が大きい。身長が186センチあるけどそれ以上に大きく感じる。対戦した相手打者から見ると、圧を感じると思います」。

西武のリリーバーを見ると、フォークを武器にする投手が少ない。さらに、変則フォームから落差が大きいフォークを武器とする森脇亮介投手、左腕の佐々木健投手が手術を受けてリハビリに専念するため来季は育成契約に。今年の救援のチーム防御率2.79はリーグ2位だが、投手事情を考えると新戦力の台頭が待ち望まれる。同じくフォークを武器とするドラフト2位右腕・上田大河投手と共に、宮澤投手は2月の春季キャンプからアピールして実戦で結果を残し続ければ、セットアッパーとして一軍定着のチャンスは十分にある。

「映像を見てもらったら分かると思いますが、良いときのフォークの落差はすごい。思い切り挟んで落とす。このフォークを極めれば一線級のピッチャーになれると思います。」

北海道大初のNPBプレーヤーとなる宮澤投手。西武、球界を代表するリリーバーに覚醒するときが楽しみだ。

鈴木スカウトから宮澤投手へ

「短い野球人生、長い野球人生にするかは自分次第です。1球1球を大事に、中継ぎ、抑えで活躍することを期待しています」

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