休日に街へ出かけたり、協力して自炊したりと、オーストラリアでの修行生活にも慣れてきた2投手。
齊藤大投手はここまで3試合に登板して無失点という好結果を残し、抑えのポジションを掴み取ることができたようです。また、高木勇投手も、先発ローテの一員として自ら投球テーマを決めてマウンドに上がるなど、それぞれが課題克服に向けて取り組む日々が続きます!
練習3日間・試合3日間の後の休日。部屋にいるのはもったいないと、9:30には街中へ出発!中心街へ出て、選手組とスタッフ組に分かれて自由行動です。
夕食は、昨年までのチームメイトでクリケットに挑戦されている木村昇吾さんがメルボルンに住んでいるということで再会!プロ野球界では同期だった上本ブルペン捕手を始め、話が弾む会食となりました。
「ハヤトさんと一緒の行動だったので…。やっぱりハヤトさんは積極的です。物怖じしないというか…自分もいろんな面で積極的になれればと思っています。
珍しい光景は、カレーをタッパーに入れて無料配布してました。なんとも不思議で外国って感じがしました。」
「着るものをあまりも持って来てなかったので、洋服を買いに行きました。ショッピングは日本と同じでそんなに変わりませんでした。ただ街中では、いろんな人と話しをしましてね。日本語が上手な人もいてお互いの仕事の話したりね。楽しくて、一日24時間では足りませんでした。」
「英国風の旧建物と路面電車(トラム)の見事に調和された景色が素晴らしいです。人と物の色が、とにかくカラフルで心が躍ります。カフェ街でのランチもおしゃれな感じで時間を気にしない空間って感がいいですね。街中の感想でした…。」
「キムニー!クリケット喋る喋る!さすがのオレも聞き役になったわ。メルボルン来て、まだ1か月らしいけど人恋しいんやろなぁ。わかるわかる。うん!クリケットって野球に似てるけど全然違うんやて…。小さいボールを投げるにも、肘を曲げたらアカンとか…。野球のクセが抜けきらんみたいやなぁ。同級生がんばってや!応援してまっせ。」
ここまで4試合6失点の投手陣を中心とする守りの野球と、少ないチャンスを確実にものにする攻撃がうまく噛み合い5連勝!6回表に奪った2点を守り続けて迎えた9回、齊藤大投手が抑えとして登板。見事、無失点に抑え完封勝ちを決めました。齊藤大投手は初セーブを手にしています!
「まずは寒かったです。そんな中でも、接戦でそれなりに投げ切れたのはよかったです。コントロール的には、初戦に比べるとバラつきがありましたが、ブルペンでの球のキレはまずまずだったと思います。具体的には、右打者の外角へ感じよく投げられました。これからも、ベンチの信頼に応えられるようにがんばります。」
「ジョン監督が、試合後に一番に褒めたのが齊藤大でした。ありがとうございます。コンディションの状態を考えると、集中力を切らさず勝負ができたことが収穫です。ブルペンで何回もウォーミングアップ(ランニング)したり、準備の大切さも再確認できたことでしょう。四死球を出さずにコントロールよく無失点で抑えるのが理想ですが、状態が良い時ばかりではありません。まずは、何とか、とにかく、必死で、余裕で・・・抑えること。ホームベースを踏ませないことが投手の使命です。次戦も無失点で頼みますよ。」
「めっちゃ寒かったわ・・・開幕戦も寒かったけど比べもんにならへん!途中、雨が横に降ってきよったからなダブルパンチや。コービー(小林通訳)なんか『中止!中止』って大きめのつぶやき入ってたもん。身体が冷え切って受ける球も手が痛いけど、ピッチャーが抑えてくれたら!そんなもん、ぶっとぶわな!鍋でも突っつきたいところやけど、韓国カップ麺の辛ラーメンであったまりますわ!よかったよかった!ほな!」
初回から適時打で先制しますが、二回目の先発登板となった高木勇投手が3本の本塁打を浴びて5回で降板となります。三番手に齊藤大投手が登板し、3試合連続無失点の安定したピッチングを見せるも、両チーム合わせて6本塁打が飛び出す空中戦はアデレードに軍配が上がりました。
「スライダーは良かったですが、ストレートがダメでした。自分の課題はストレートなので、指先にかかった球が一球でも多く投げられること。このことに集中してやっていきたいです。試合経過の中で良かった点は、バント処理での二封ができたこと。悪かった点は、先頭打者への四球でした。次の登板では、いいストレートでストライク先行できるようにします。」
「今日は、ストレート勝負(力勝負)をテーマにしました。『闘う投球』です。あえて変化球を減らして、ストライクゾーンにどれだけ強い球で向かっていけるか。日本ではできなかったことなので・・・。結果は打たれましたが、そこは収穫です。力勝負の投球を楽しめました。次の登板に向けて変化球の投げどころや活かし方を再確認したいと思います。バント処理での悪送球ミスが反省点です。」
「高木勇は、テーマに対してしっかりと考えを持って投げられたところは良かったと思いますよ。そんな中、制球面では…88球中で53ストライク(60%)と、少なかったのは主審のストライク・ボール判定がばらついていたためで、かなり苦しんでいるなぁと感じましたね。投手は一球の判定で大きく結果が変わるポジション。不利なカウントから有利なカウントに持ち込める“術"を身につけてほしいです。精神的なものなのか、技術的なものなのか?今季、被安打と与四死球が多かったところは十分に分析したうえで、来季に繋げてもらいたいと思います。
齋藤大は課題(ストレートと対左打者の内角)がはっきりしているので、それだけに集中して取り組んでもらいたいです。高木勇がテーマづけたように『ストレートのみ!』くらいで投げても良いのでは?自分で自分の背中を押す、冷静に見れるもう一人の自分を置くこと。
オーストラリア・ウィンターリーグの1/3が終了、ふたりの挑戦は続きます。」
次回のレポートもお楽しみに!