

CSファーストステージ vs千葉ロッテ 第2回戦
昨日の試合に敗れ、後がない状況で迎えたクライマックスシリーズファーストステージ第2戦。しかし、シーズンでも負けられない状態から勝ち進んできた獅子たちは、しっかり気持ちを切り替えていました。昨日の取られた分を取り返すかのような猛打で5回まで毎回得点、さらに先発全員安打を含む計20安打を重ね、15対0で圧勝。相手の仙台行きに待ったをかけ、勝負を明日の決戦へ持ち込みました。序盤から流れを引き寄せた栗山と片岡の活躍、その援護に応えた先発・岡本洋の投球を振り返りましょう。
初回、相手先発・松永に対し、先頭の1番・ヘルマンが初球をたたき安打で出塁。ヘルマンの積極性が松永の投球リズムを崩します。この後1死2塁とし、3番・栗山は甘く入った直球を流し打ち。「打てる球がきたら打つという気持ちでいきました」という言葉通りのスイングで鋭いライナーを左翼線に運び、先制の適時二塁打に。この一打でペースをつかんだのか、4番・浅村も適時二塁打で続き初回から2点を奪います。
そして、この試合の行方を決定づけた2番・片岡の打撃も忘れてはなりません。2対0で迎えた2回裏は2死まで簡単に奪われますが、ヘルマンが初回に続き安打で出塁します。続く片岡は有利なカウントをつくると、ストライクを取りにきた低めの直球をジャストミート。高く上がる打球はバックスクリーンに飛び込む2点本塁打に。ムードメーカーの会心の一撃に、スタンドもベンチも大いに盛り上がりました。
先制打の栗山は5対0で迎えた4回裏にも、相手の2番手・藤岡から勝負を決める3点本塁打を打つなどし、この日5打点。片岡も5回裏に9点目となる適時打を放ちました。昨日の嫌なムードを、自らの力で完全に振り払った獅子たち。一つになったチームが、明日の大一番でも大暴れしてくれるに違いありません。
序盤から打線の心強い援護を受けた先発・岡本洋は、試合が進むごとに波に乗ります。3回までは毎回走者を出すものの要所を締めると、4回表には昨日の試合で活躍を許した井口、今江ら中軸を難なく仕留め、この日初めての3者凡退に。杉本投手コーチの「ひとりひとりきちんと抑えてほしい」という期待に応えます。
試合前半を終えて13点をもらった岡本洋ですが、気を緩めることはありません。無失点のまま9回のマウンドに上がると、最後の打者・福浦を見逃し三振に仕留めて力強いガッツポーズ。124球、被安打6、奪三振5、与四球1、無失点で2塁ベースすら踏ませず、見事な完封勝利となりました。
明日の勝負を制したチームが、仙台行きの切符を手にできます。目を覚ました骨太打線の力で再びマリーンズをねじ伏せ、西武ドームに歓喜をもたらしましょう!
今日のヒーローは、栗山選手と岡本洋投手です!



-まずは打のヒーロー、栗山選手です! 記録的な大勝で、1勝1敗のタイに戻しました。今のお気持ちはいかがですか?
(栗山)予想もしなかった展開なので。こういう勝ち方はうれしいですけど、とにかく明日があるので、しっかり気を引き締めなあかんな、という気持ちですね。
-今日は負けられない一戦でした。チームの皆さんはどんな思いで今日のゲームに臨んだのですか?
(栗山)みんなそれぞれ不安を持ってプレッシャーがかかりながら、今日の試合を迎えたと思います。ぼくのことになりますけど、レフトの守備位置に就いた時に皆さんの声援を受けて「また明日もここでやりたいな」と。「そしたら今日勝つしかないな」と。そう胸に強く思いながら今日は試合に臨みました。
-その思いが、あの初回の先制タイムリーを含めた5打点につながりましたね。
(栗山)初回のタイムリーは、まさに皆さんの思いがバットに乗り移ってタイムリーになってくれたと思います。
-それと、岡本洋投手が本当に頑張っていました。バックも4併殺と、よくもり立てましたね。
(栗山)レギュラーシーズンでは洋介(岡本洋)が投げる時になかなか打線が援護できなかったんですけど、今日はまさかの展開に持ち込めたので、本当に良かったですね。
-栗山選手の口からも出てきました、いよいよ明日が勝負のかかった一戦になります。明日に向けてお願いします。
(栗山)本当に、何よりも明日。とにかく明日勝たないことには今日勝った意味がなくなるので。皆さん力を合わせて、明日絶対に勝ちましょう! ありがとうございました!
-続いては、見事なプロ初完封! 岡本洋投手です! この大事な一戦、この大舞台での初完封はいかがですか?
(岡本洋)できすぎだと思います。
-チームとしては追い込まれた状況で今日を迎えました。どんな思いでゲームに入っていきましたか?
(岡本洋)とにかく勝つしかないと思っていたので、何とか勝った状態で次のピッチャーにつなごうという気持ちで投げていました。
-相手のマリーンズ打線は、昨日11点を取りました。早いカウントから積極的に振ってきましたが、これに対してはどんなピッチングを心掛けましたか?
(岡本洋)早い決着が多かったので、とにかく初球から勝負のつもりでどんどん投げ込んでいきました。
-しっかりと腕を振ることはできましたか?
(岡本洋)できました!
-味方の援護も、今日は頼もしかったですね。
(岡本洋)初回からどんどん点を取ってもらえたので、楽にじゃないですけど、気持ちを込めて投げることができました。
-これで明日、チームはいよいよ勝負をかけた第3戦に向かいます。岡本洋投手は明日のゲーム、どんな思いでチームを応援しますか?
(岡本洋)ファンの皆様の応援があっての勝利だと思うので、また明日も応援していただけるように、何とかライオンズ一丸となって頑張ります。応援よろしくお願いします!
渡辺監督コメント
負ければ終わりだし、今日は皆この一戦にかけるという思いで集中してやってくれた。序盤から非常に良い攻撃ができたし、昨日やられてるので何とかやり返してやろうという気持ちが強く出たゲームだと思う。ファーストステージは3試合しかないので、とにかく今日のゲームをとらないとまた明日につながらない。本当によく頑張ったと思う。
(岡本洋について)
序盤のランナーを出したピンチをうまくゲッツーで切り抜けたし、味方もあれだけ点を取ってくれた。今うちの投手陣の中では一番状態が良いピッチャーなので、いけるところまでって感じだったけれど、どんどん良くなってくれた。彼はボールを一つ一つみたら本当に素晴らしいボールを投げるので、あとは自信をつけることがすごく大事。今日のこの大きなゲームでの完封は本人にとっても非常に大きいと思うし、期待通りのピッチングをしてくれた。
もう勝つだけだと思っているし、とにかく当然タフなゲームになると思う。しっかり勝利への執念を出して明日のゲームに臨みたい。