試合情報

オールスター前最後のホームゲーム。今季初先発の武隈が8回途中までノーヒットノーランを達成しようかという快投を演じると、打線が少ない好機を生かして2対0の完封勝利を挙げました。

今日の勝利の立役者は、何といっても快投を見せた武隈でした。その投球内容を振り返りましょう。

武隈は立ち上がりから内外角を突く投球術を展開。初回と2回表は走者を2塁に置くも、杉本投手コーチが「今シーズン初先発とは思えないくらい落ち着いている」と評価した通りの投球で無失点に抑えると、波に乗った武隈は自己最長イニングとなる4回を投げ切ります。続く5回表は切れのある直球と変化球で寄せ付けず3者凡退。ここまで無安打無失点と最高の投球を見せます。

5回裏に先制点をもらった武隈は6回途中で100球を超えますが、ここからバックがもり立てます。6回表には三塁手･ヘルマンが好守を見せると、7回表は鋭い打球を飛ばされながらも左翼手･栗山が好捕。相手打線を無安打に抑え続けます。

8回途中で長谷川を打ち取った当たりが不運にも安打となったものの、7回2/3を投げて119球、被安打1、奪三振6、与四死球3、無失点という素晴らしい内容。ノーヒットノーランとはならなかったものの、ベンチの期待以上の投球を見せて今季初勝利をつかみ取りました。

先発陣の離脱で回ってきた役割をしっかりと果たした22歳の左腕。今後も精進を続け、先発の一角を虎視眈々と狙いたいところです。

打線では5回裏に7番･大崎の内野安打が相手のミスを誘って先制すると、7回裏には6番･浅村が適時三塁打を放ち加点。その両方を自慢の脚力でアシストしたのが5番･ヘルマンでした。

5回裏に相手先発･大場に対し、1死走者無しからヘルマンが両チーム通じて初安打を放つと、今季20個目の盗塁を決めるなどして2死2塁とします。ここで大崎が二遊間への当たりに対して激走して相手のミスを誘い、2塁走者のヘルマンが先制のホームを踏みます。

7回裏には2死走者無しから四球で出塁すると、今季21個目の盗塁を決めて進塁し、浅村の適時三塁打を呼び込みました。

明日からオールスター前までビジター5連戦。今日の勝利で勢いに乗り、借金返済に向けて全力を出しきりましょう!

-まずは7回、貴重なタイムリー3ベースヒットを放った浅村選手です!

(浅村)ありがとうございます!

-7回、追加点が欲しいところでタイムリー3ベースヒットが出ました。

(浅村)今、覚えてないくらい興奮しています。

-打席ではかなり集中していましたか?

(浅村)武隈さんもすごいピッチングをしてくれていたので、ここで打つしかないと気持ちで打ちました。

-武隈選手のピッチング、後ろで守っていてどうでしたか?

(浅村)バッター陣が頑張らなければいけないと思ったので、少ないチャンスでしたけど打てて良かったです。

-チームのヒットが3本で、その中でタイムリー3ベースヒット。こういうヒットは格別ではないですか?

(浅村)これからの自信にもなりますし、チームも勢い付いてくれると思います。

-去年は、毎試合本当に楽しいんです、という話がありましたが、今はどうですか?

(浅村)すごい楽しいです!

-それがバッティングにも生きてますね?

(浅村)そうですね。

-オールスター前最後の西武ドームを勝利で飾ってくれました。残り5連戦。意気込みを聞かせてください。

(浅村)全て勝ちます! これからもよろしくお願いします!


-続きまして、今シーズン初先発で素晴らしいピッチングを見せてくれました、武隈投手です! すごい拍手です!

(武隈)ありがとうございます!

-自己最長となる7回2/3を投げ終えた今のお気持ちからお聞かせください。

(武隈)ドタバタで1軍に上がってこのチャンスをもらい、1イニングでも多く投げようと思っていたので上出来です。

-8回1アウトまでノーヒットピッチングでした。

(武隈)足もつっていたのですが、周りが盛り上げてくれたのでいこうと思っていました。しかしどん詰まりのヒットで、もっと気持ち良く打たれたかったなと思います。

-ノーヒットは、自分でもかなり意識していましたか?

(武隈)いつかは打たれるだろうと思っていたので、ノーヒットノーランできなくて良かったです。

-試合が始まる前は5回完封を目指しますと言ってましたが、さらに素晴らしいピッチングでした。序盤を振り返っていかがでしたか?

(武隈)緊張していました。最後まで結局良くなかったですけれど、気持ちで抑えたいと思って投げられたので良かったです。

-今日良かったのは強気のピッチング、ということでしょうか?

(武隈)はい。僕なりに強気で投げられました。

-これでプロ2勝目ということになりました。前回はリリーフでの初勝利。先発では今夜が初勝利となりました。また格別でしょうね!

(武隈)ファームで投げる一勝よりも重たくて、気分が良いです。

-投げ終えた後、監督からは何と言葉をかけられましたか?

(武隈)あまり覚えてないです。良いことを言ってくれたと思いますが、テンションが上がりすぎて覚えてないです。

-次の登板に向けてライオンズファンの期待が高まってきました。最後にメッセージをお願いします!

(武隈)これで次投げられるっていう保証は別にないので、また新しいチャンスを手にできるように僕なりに頑張りたいと思います。

(今日の勝因はどこにあったか?)やっぱり武隈のナイスピッチングだと思う。ストレートも良かったが、ボールを低めに集めて、彼の持ち味であるチェンジアップを有効に使えたことが良かった。そのおかげでストレートやスライダーのボールをしっかりコントロールできていた。

(ストレートの切れが良かったのか?)そうですね。良い真っすぐでした。

(石井一久の代役とは思えないピッチングだったが?)今このような状況の中で若い先発ピッチャーにチャンスが回ってきて、彼自身も今日の先発にはいろんな意味で気持ちが入ったと思う。このポジションをつかもうという意気込みを持って今日のマウンドに上がったと思う。

(ノーヒットノーランには一歩届かなかったが?)野手の好プレーなどでヒット性の当たりなどもアウトになっていたし、もしかしたらと思ったが、8回には(武隈が)足もつり気味だったみたいだし、いっぱいいっぱいだったと思う。

(ヒットを打たれるも続投した背景は?)杉本コーチが｢本人の目が生きていた｣と言っていたので続投させた。

(新しい先発投手が多く出てきて誰を起用しようか迷うのでは?)たくさんいることに越したことはないし、1軍のゲームの中でしっかり結果を残せたということは自信にしていいと思う。武隈も5年目で紆余曲折あったが一生懸命やってきて、その成果が表れてよかった。

借金を返すつもりであと5試合戦っていこうと思う。