遂に誠投手がオーストラリアで初勝利! 佐藤・福倉投手もそれぞれが持ち味を発揮する好投を見せ、日々成長を遂げる若獅子たちから目が離せません!
12月11日から14日までの試合結果を中心に、第6回オーストラリアレポート、ぜひご覧ください。
1点ビハインドの8回に登板した佐藤投手は先頭打者を四球で歩かせたものの、続く打者から連続三振を奪い2死1塁。しかしここから連続四球を与えて2死満塁としますが、ここでもまた三振を奪ってピンチを切り抜けました。
佐藤投手コメント
「今回の試合でも四球が多くていちばん課題としていることができなかった。ただ、変化球では見逃しのストライクや空振りが取れた点は良かった。
しっかりとしたコントロールをつけるために、キャッチボールから意識してやっていく。オーストラリアにいる間に、自信のつく球やストライクが取れる球を増やしていきたい」
広池浩司(ファームディレクター補佐)コメント
「前回結果が出なかったことを踏まえ、今回に限ってはまずは「0」で抑えることを第一に考えた。
ストレートのイメージが強い勇だが、実は今は変化球の調子がよい。変化球を使ってカウントを整えて、腕を振ってストレート勝負にいける状況を作っていくのも1つの方法であると前日、本人に話した。
先頭打者に対して全球ストレートで四球を出したが、そこから一転、変化球を多めに使ってよい投球をした。その後の2つの四球はもったいなかったが、素晴らしいボールを投げていたし気にすることはないと思う。今後は登板機会も増えるのではと期待している。
オーストラリアに来て3週間が経ち、少しずつだがチームメイトの輪の中に入って英語でコミュニケーションを試みるようになった。そういった積極的な姿勢を大切にして欲しい」
初回、2死から連打を浴びてピンチを迎えましたが続く打者から空振り三振を奪って無失点でしのぐと、エンジンの掛かった2回以降はキレのあるストレート中心の攻めでテンポよくアウトを重ねます。
5回は1死からの連打で得点圏に走者を背負いますが、このピンチも冷静にしのぎ無失点。
6回以降は内野手のエラー以外の走者を許さない完璧な投球で8回を106球で見事にABL初勝利を挙げました!
誠投手コメント
「オーストラリアに来て初めて8イニングを投げた。課題としているストレートでバッティングカウントでもファールを取れていたので、得意の変化球がいつもより投げやすかった。
あとはチェンジアップを覚えたいのでどんどん使っていきたい。今回も何球か投げたがかなり手応えがある。
ただ、まずは今回のようなストレートをどんどん投げ込めるようにしていきたいと思う」
広池浩司(ファームディレクター補佐)コメント
「この日の誠のストレートにはキレがあった。足を上げてから前に出ていく時にいつもより間を作れていたので、テイクバックの際に右手が体から離れることなくよい軌道で振れていた。
これだけ打者に近い方でリリースができて腕をしっかり振り抜くことができれば打者から見ると球が速く見えるのも当然だ。この形を忘れないで欲しい。
それに、打者のスイングの軌道によっては時には高めのストレートも有効なことがよく分かったはずだ。特に誠のような縦に割れるカーブを持つ投手の場合、高めのストレートも効果的だ。両コーナーへの投げ分けと低めへの意識が重要なのは変わらないが、高めもうまく使えるようになれば幅は広がるはずだ。
今回のような投球を続けることができれば一軍で勝負できるようになる。誠はこちらに来てとても表情が明るい。充実感が伝わってくる。ずっとローテで投げ続けてチームでは最も多くのイニングを投げていることもありチームメイトからも一目置かれている。引き続き努力を重ねて成長して欲しい」
立ち上がりから緩急を使った落ち着いた投球を披露。3回の1死3塁、5回の1死2・3塁、7回の2死1・3塁などピンチはありましたが、冷静に後続を抑えて得点を与えません。
0対0のまま迎えた8回も簡単に2死を取り、次の打者もセカンドゴロでチェンジと思われましたがこれをセカンドが悪送球すると、次の打者にはヒットを許して1・2塁。それでも福倉投手は次の打者を平凡なサードゴロに打ち取り今度こそチェンジと思われました。しかし今度はサードがこれを悪送球し2者が生還。福倉投手はここで無念の降板を命じられました。
福倉投手コメント
「登板間隔が空いて難しい部分もあったが、しっかりとゲームを作ることができた。
変化球をうまく使いストレートで詰まらせることができた。ただ、初球を簡単に安打されることがあったので注意していきたい。
四球も少なくいいペースで投げられて持ち味を発揮できた。しかし、勝てなかったのが悔しかった。次回は内容もそうだが勝ちにこだわりたい」
広池浩司(ファームディレクター補佐)コメント
「福倉の特徴を存分に発揮した素晴らしい投球だった。ストレート、緩いカーブ、スライダー、スプリットを投げる福倉だが今日はそのどれもよかった。また、ストレートを全力で投げたり、少し力を抜いたりして同じ球種の中でも場面によって変化をつけるなど、心憎いばかりの落ち着きがあった。
8回はかなり気の毒な降板の仕方となったが、この日の福倉の奮闘ぶりはみんなが認めるところ。ベンチに戻る福倉に送られた敵地の観客からのスタンディングオベーションがそれを物語っていた。
今回は踏み出した足にしっかり体重が乗っていた。このよい形を続けて自分のものにしてもらいたい。
オーストラリアに来た当初からチームメイトとの会話に積極的な福倉。そういった前向きな姿勢が今回の好投に繋がった部分もあるはずだ。これからも貪欲にいろいろなことを吸収していって欲しい」