1986年
日本シリーズ

1986年 ライオンズ(4勝) - カープ(3勝) ※1分

ライオンズ表彰選手

最高殊勲選手
工藤 公康
優秀選手
清原 和博
優秀選手
石毛 宏典

エース好投で両チーム譲らず、延長14回引分け

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 R
  西武ライオンズ 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2
  広島カープ 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 2

1986年10月18日 第1戦(広島市民球場)

投手

【西】東尾-渡辺-松沼雅
【広】北別府-清川-川端-津田

本塁打

【広】小早川1号ソロ、山本浩1号ソロ

第1戦はライオンズ・東尾、カープ・北別府のベテランエース同士の投げ合いで幕を開けた。ライオンズは2回、無死満塁のチャンスから伊東の併殺打の間に先制する。

4回には、1死2・3塁から伊東がスクイズを決め2点目。東尾は8回まで3塁を踏ませないピッチングで完封目前だったが、9回に小早川・山本浩に連続ホームランを打たれ、試合は振り出しに。

延長戦は両チームとも救援投手が好投し、75年の広島東洋カープ対阪急ブレーブス以来の引分け試合となった。

貧打で好投の工藤を援護できず

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
  西武ライオンズ 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
  広島カープ 0 0 0 2 0 0 0 0 X 2

1986年10月19日 第2戦(広島市民球場)

投手

【西】●工藤-市村-松沼雅
【広】○大野

本塁打

【西】秋山1号ソロ

ライオンズは3回、秋山の日本シリーズ初ホームランで先制するも、4回、工藤が正田に2点タイムリーツーベースを打たれ、逆転を許す。

ライオンズ打線は、先制した後は大野の前に6回以降、1人も走者を出すことができず、好投の工藤を見殺しにする結果となってしまった。

本拠地で流れを変えられず、連敗

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
  広島カープ 0 0 0 1 3 0 1 2 0 7
  西武ライオンズ 0 1 0 0 0 0 3 0 0 4

1986年10月21日 第3戦(西武ライオンズ球場)

投手

【広】○長冨-川端-S津田
【西】●郭-市村-石井-松沼雅-渡辺-川本

本塁打

【西】石毛1号2ラン

2回、辻のタイムリーヒットでライオンズが3試合連続で先制。しかし、3回までカープ打線を完璧に抑えていた郭が、4回、山本浩のタイムリーヒットで同点とされる。5回には連打を浴び、3失点。

打線は、7回に石毛の2ランホームランなどで一旦は1点差まで追い上げるが、直後の8回にダメ押しとなる2点を追加され、連敗。

まさかの3連敗で、崖っぷち

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
  広島カープ 0 1 0 0 0 0 0 0 2 3
  西武ライオンズ 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1

1986年10月22日 第4戦(西武ライオンズ球場)

投手

【広】金石-○津田
【西】松沼博-松沼雅-永射-石井-●渡辺

松沼博が2回に投手の金石にタイムリーヒットを打たれ、このシリーズで初めて先制を許す。その後は、両チームの投手陣が踏ん張り、試合は8回へ。

ライオンズはこの回、代打・田尾がヒットで出塁。盗塁でチャンスを広げると、石毛のタイムリーヒットでようやく同点に追いつく。

しかし、前日、リリーフに失敗した渡辺が9回に2点を失う。打線もその裏、無死1・2塁と津田を攻めたが、後続を絶たれ、3連敗で崖っぷちに立った。

延長12回の死闘!投手・工藤の一打で決着

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 R
  広島カープ 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1
  西武ライオンズ 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1X 2

1986年10月23日 第5戦(西武ライオンズ球場)

投手

【広】●北別府-津田
【西】東尾-○工藤

3回2死から、田尾・金森・石毛の3連打でライオンズが先制。しかし、その後は追加点が奪えない。すると7回、ここまでカープ打線を零封していた東尾だったが、味方のエラーで同点に。

東尾・北別府の投げ合いは9回でも決着がつかず、このシリーズ2度目の延長戦へ。延長12回、ライオンズは1死2塁と絶好のサヨナラのチャンスを迎える。

ここで、打者は10回から登板していた工藤だったが、そのまま打席へ。一方、カープは力投する北別府に代えてリリーフエースの津田をマウンドに送るも工藤が見事ライト線にサヨナラヒットを放ち、5戦目にして初勝利をあげた。

清原、待望のシリーズ初ホームラン!

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
  西武ライオンズ 0 1 0 1 0 0 1 0 0 3
  広島カープ 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1

1986年10月25日 第6戦(広島市民球場)

投手

【西】○渡辺-S工藤
【広】●大野-川端-小林

本塁打

【西】大田1号ソロ、清原1号ソロ
【広】長嶋1号ソロ

舞台は再び広島へ。ライオンズの先発は、このシリーズ救援で失敗が続いていた渡辺。2回に大田が先制のソロホームランを放ち、渡辺を援護する。

4回には、大物ルーキー・清原の日本シリーズ第1号ホームランでリードを2点に広げる。渡辺は5回に長嶋にソロホームランを打たれるも、6回1失点の好投。7回からは工藤につなぎ、そのまま逃げ切った。

奇跡の大逆転まであと1勝へ!

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
  西武ライオンズ 1 0 0 0 0 2 0 0 0 3
  広島カープ 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1

1986年10月26日 第7戦(広島市民球場)

投手

【西】○松沼博-S郭
【広】●長冨-川端-清川-小林

本塁打

【広】長嶋2号ソロ

ライオンズが初回、第6戦でホームランを放った清原のタイムリーで先制する。その後はこう着状態が続いたが、6回に秋山の2点タイムリーツーベースでリードを広げる。

投げても、松沼博が6回途中1失点の好投で、マウンドを郭に託す。後を受けた郭も、4奪三振の力投。3連敗後の3連勝で、ついに奇跡まであと1つとなった。

史上初の第8戦を制し、3年ぶりの栄冠!

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
  西武ライオンズ 0 0 0 0 0 2 0 1 0 3
  広島カープ 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2

1986年10月27日 第8戦(広島市民球場)

投手

【西】東尾-永射-○渡辺-S工藤
【広】●金石-清川-津田

本塁打

【西】秋山2号2ラン
【広】金石1号2ラン

3勝3敗1分で迎えた日本シリーズ史上初の第8戦。ライオンズは3回、東尾が投手の金石にまさかの2ランホームランを浴び、先制される。

打線は、5回まで金石の前にあと1本が出なかったが、6回、1死1塁から秋山が起死回生の同点ホームラン。秋山はバック転をしながらホームイン。そして8回、2死2塁からブコビッチのツーベースでついに勝ち越し。

投手陣は先発の東尾から永射・渡辺とつなぎ、8回からはこのシリーズ、投打に大活躍の工藤がマウンドへ。この回に1死1・2塁のピンチを迎えるが、併殺で切り抜けると、9回も得点を与えず1点を守り切り、3年ぶりの日本一。

3連敗で王手をかけられてからの逆転優勝は、1958年の前身「西鉄ライオンズ」以来2度目。